ひばりの母恋いギター

(C)東映
夜霧の温泉街にギターを弾きながら唄い歩く流しの娘・君江には、お俊という病身の母がいた。ある晩君江は旅館玉屋の宿泊客の志村百合、梢、由美の三人姉妹に「母さんギター」を聞かせていたが、その三人姉妹の父親の良平をみて仲居のお玉は仰天する。良平はお俊の初恋の人で君江の父だったのだ。二十年前、板前だった良平とお俊は恋仲になり、お俊は君江を産んだが良平はお俊のもとを去っていったのだ。「お父さんは生きているの」苦しいお俊の最後の告白を聞いた君江は、驚愕しながらお俊の死を看取るのだった。そして傷心を抱いて父・良平を求めて東京へ出て行くのだった。だが、初めて会った父・良平は、君江を冷たく追い返すのだった。今は一流料理店「志村」の主人である良平は、養子となって店を継いだため妻の美子には頭が上がらないのだ。良平は美子の名誉欲のため無理矢理都議会委員に立候補させられ、選挙も近いことから君江の存在が目障りだった。君江はかつて救ったことがある幸吉という青年のもとに身を寄せるが、幸吉は今やチンピラ稼業。こともあろうに良平に百万円の脅迫を行っていたのだ。そして幸吉が百万円をせしめたところにやってきたのは、かつて君江によこしまな恋を迫った、土地の顔役・長岡だった。長岡は百万円を幸吉から奪い、君江は幸吉の制止も振り切って長岡のもとへと駆けつけ、百万円を良平に返すように迫るのだが…。

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