わが子ゆえに

田畑の中に点在する貧しい農家に祖父平作を残したまま、ゆきえは一子良吉をつれ、家出した夫良平の後を追った。北海道の炭坑に働く良吉と再会することが出来たが、良平にはすでに身ごもった、おたみという女があったのだ。ゆきえは女手一ツで良吉を抱え、よいとまけに出たり大福餅やするめを売ったりしたが、それでも可愛い良吉に晩御飯さえ食べさせられないのだ。一時は死を決心したゆきえだったが、良吉の将来を思えばそれも出来なかった。山形屋の酌婦として住みこんだゆきえは、良吉がせめて学校に上がるまでには、せっせと貯金をつづけ、自分の家をもちたいと念願していたがカン言で思い半ばで追い出されてしまった。

ShareSNSでシェアしよう!

TOP