修道院の花嫁

(C)KADOKAWA 1946
海外から復員して来た雄吉は北国の故郷にある父母の牧場に帰って行った。彼は召集前から酪農事業を大きく発展させたいという理想を抱いていた。彼の恋人の由利子は彼の最も良き理解者であった。それで彼は出来るだけ早く由利子と結婚し、理想を実現しようという愉しい希望を抱きながら帰って来たのである。彼は生まれつき明るい、一見駄々ッ子のような楽天的性格の持ち主であった。ところが帰ってみると父は経営難から残った牛を売り払うところであった。驚いた彼は買主に牛を返してくれと頼むとその買主は十日以内に労働者を集めてみたまえ、その上で牛は返そうという返事だった。

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