一本刀土俵入

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下総取手の宿の暖味安孫子屋の前で、ごろつき船戸の弥八が酒に酔って暴れている時、通りかかったのはふんどし担ぎの茂兵衛であった。巡業の旅先で見込みなしと追い出された彼は、江戸に帰って部屋の女将に願いを入れるため、ここまで来たが空腹で歩けなくなっていたので、一度は弥八につきとばされたが、頭突きを喰わして相手を追払う。彼に同情した酌婦お蔦は、彼に食事を振舞い有金に櫛、箸まで添え、「一日も早く横綱の土俵入りを見せておくれ」と別れた。

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