祭の馬

南相馬市で震災に遭遇した一匹の馬の、数奇な運命をたどるドキュメンタリー。 2007年の春、青森の牧場で生まれた黒鹿毛の牡馬ミラーズクエスト。2010年中山競馬場でデビューを果たすも、まったく勝つことができないまま引退。福島県南相馬市へ移され余生を過ごすこととなったミラーズクエストは、そこで東日本大震災に襲われる。激しい津波から生還したものの、今度は東京電力福島第一原子力発電所の事故により、水と食料を絶たれる。飢えと渇き、さらに、ケガを負ったミラーズクエストの局部は大きく腫れ、元に戻らなくなってしまう。そんなミラーズクエストと出会った映画作家・松林要樹は、「これは他人ごとではない」と感じ、彼をともない、震災直後の福島県相馬地方から、雪の北海道日高地方へ、そして再び相馬野馬追の夏へと旅していく。