りんごのうかの少女

岩木山の麓で、りんご農園を営んでいる三上一家。長女で中学生のりん子は、学校にも行かず恋人の健一郎たちとともに、家出を繰り返している。りんご農家を必死に守っている母の真弓だが、何かと作業に口出しをしてくる祖母のもとで、子育てにもりんご育てにも気苦労の絶えない日々を送っている。 りん子の誕生日を間近に控えたある夜、夫の玉男が「りん子への誕生日プレゼントだ」と、リボンを付けた馬を連れて帰ってきた。いつも自分勝手な玉男に、真弓の気苦労は増していくばかり。金を無心しようと、久々に家に戻ったりん子。だが、そこで目にしたものは、玉男の残した一頭の馬と、りん子の胸に深い悲しみをもたらすものであった…。