黒いスーツを着た男

(C)2012 - Pyramide Productions – France 3 Cinéma
アルにとって、求め続けた成功は目前だった。成功の象徴ともいうべき黒いスーツをクールに着こなした彼は、勤務する自動車ディーラーの社長に気に入られ、社長令嬢との結婚を10日後に控えていたのだ。しかしその夜、アルは2人の同僚と羽目を外して酒に酔い、パリの夜道で男を轢いてしまう。そして同僚たちの促すまま、茫然自失のうちに逃走―。その一部始終を、ジュリエットはアパルトマンのバルコニーから目撃していた。被害者の容態が気になって病院を訪れたジュリエットは、そこで昏睡する男の妻、ヴェラと出会う。ヴェラと夫はフランスに不法滞在をしているモルドヴァ人だった。そして良心の呵責に耐えかねたアルもまた、男の容態を確かめようと病院を訪れる。病院で深夜の暗闇に浮かんだ姿と似た男を見つけたジュリエットはその後を追い、交わるはずのなかった3つの人生が交錯する…。

ShareSNSでシェアしよう!

TOP