声をかくす人

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1865年、米国史上最大の死者を出した南北戦争の終結直後、 新しい国の象徴だったリンカーン大統領が、南軍の残党に暗殺される。主犯のジョン・ウィルクス・ブースは逃亡中に射殺され、共犯者8人が次々と逮捕される。世間を驚かせたのは、唯一の女性である南部出身の未亡人メアリー・サラットの存在だった。フレデリック・エイキンは、大多数の北部の人々と同じく、犯人に怒りと憎しみを抱いていたが、 「彼女には弁護を受ける権利がある」 と主張するジョンソン議員に強引に押し切られ、渋々と彼女の弁護を引き受ける。 しかし審理が進むにつれ、検察側の強引な手法が目立ち、弁護士として憤りを感じ始めるフレデリック。やがて彼は、サラットが大きな秘密を隠していることに気付く。そして、その秘密のためなら、自らの命も差し出すつもりだということに。だから、彼女はあえて声をあげないのだ。サラットの無実を信じ始めたフレデリックが、政府に突きつけた真実とは─?

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