マダム・サタン

アンジェラは美しく貞淑な妻であった。夫のボブはこの頃、放蕩三昧に家を外に遊んでいた。今日も夜中を過ぎるも夫はまだ帰らない。夜は開けて昼が来た。アンジェラは身支度を整え、夫の帰りを案じているおりから、浴室に、異様な物音が聞こえる。見れば夫のボブと友人のジミーが酔って夜会服のまま湯を浴びながら唄っている。あまりのことに彼女はあきれたが何事も言わず、彼らの着替えを用意せしめて部屋を出た。彼女は下女が緊張した顔つきで差し出した朝刊を見れば、自分が夫と共に交通違反で警察に抑留された旨が掲載されている。彼女は黙ってそれを夫に差し出す。

ShareSNSでシェアしよう!

TOP