伝七捕物帖 女狐駕籠

シリーズ第6作。 江戸の夜。札差し山城屋に現われた無気味な女駕篭から顔をのぞかせた美女は、主人重兵衛に二十年前貸してある命を貰いに来たと告げて立ち去った。同じ夜丸井屋源兵衛も女駕篭の訪問を受け、更に目明し黒門町伝七の子分獅子っ鼻の竹の隣に住む万兵衛は何者かに殺害された。目明し早縄の五兵衛は万兵衛殺しを現場の状況から狐の仕業と断定したが、畳の足跡に気づいた伝七は信用せず、翌日、山城屋を訪ねた。折から山城屋の奥座敷では重兵衛と源兵衛が密議を凝らしていた。二人は二十年前、殺された万兵衛と共に回船問屋松浦屋清左衛門の供をして江戸に向う途中、主人を殺して大金を奪い現在の身分となったもので、裏を返せば抜荷買いの元締だった。

ShareSNSでシェアしよう!

TOP