化身

(C)KADOKAWA 1962
梵仙は比叡山の延暦寺の門前で拾われた捨子だが、座主に育てられ、今では坂本の末寺泰門庵の庵主を勤めている。僧侶らしくない魅力を持つ美青年だ。春の彼岸会梵仙は師と共に大阪の尼寺延寿院へ客僧として招かれた。一緒に街を歩いた尼僧舜海は、彼の魔性にさからえず、唇を許した。それを見て、不良たちが二人を恐喝したが、梵仙の啖呵と腕ッ節は、彼らを撃退した。その夜、舜海は梵仙にすべてを与えた。

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