おにいちゃんのハナビ

白血病の華の療養のために、須藤一家は新潟の片貝に引っ越してきた。ここの花火大会は400年の伝統があり、世界一の花火大会だと言われている。入院生活を終えた華は、兄の太郎が引きこもりになっていることを知る。そこで、太郎を地域の成人会に参加させようとするが、地元育ちでないため入会を断られてしまう。しかし、妹に勇気付けられて新聞配達のアルバイトを始め、新しい生活をスタートさせるのだった。冬が近づいた頃、華の病気が再発。入院するが、容態は悪化していた。華は引っ越してきた5年前に家族で見た、花火大会への思いを太郎に告げる。そして、華は帰らぬ人となってしまった。太郎は、華のために一人で花火をあげるようと、花火工場長に頼み込んで花火づくりを始める。そして、9月9日、花火大会が開催され、イベントガ最高潮を迎える時、太郎の花火が打ちあがる。両親とともに、太郎は最後の火の粉が消えるまで空を見つめるのだった。