鑑賞用男性

(C)1960 松竹
奇抜な鑑賞用男性論をひっさげて、デザイナー芦谷理麻はパリから帰って来た。反響は大きく、注文は殺到した。岸田国務大臣、革新党の北尾稲太郎、前衛書道家の桑村麻朱麿、それに義兄の原雅太郎が、まず鑑賞用服を着用した。理麻には、新しいデザインが閃くと空腹を感じるという習性があった。次に生まれたデザインは、母の経営する広告会社、広報堂の社員のユニホームになった。この珍妙なユニホームのおかげで、悲喜劇が続出した。

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