ある関係

(C)KADOKAWA 1962
日東自動車の設計技師西村貢は妻の佳由子と夕食の膳につきながら、大江房子の訪れを心待ちしていた。薬局に勤めて自活している房子は佳由子の従妹で、以前西村の家に同居していたこともある。そのため、佳由子は親身になって房子の縁談を心配するが房子は一向に気がない。彼女は自分の夫こそ房子の恋人であるのを知らないのだ。その昔、学生時代の房子は、佳由子の留守中西村に犯され、二人の仲はそれ以来続いている。房子はそんな西村を憎むどころか、かえって狂おしいばかりの情熱を彼にぶつけるのだった。

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