女の子ものがたり

高原菜都美は、36歳の漫画家。スランプから抜け出せず、新米の編集者にも呆れられている。「先生、ともだちいないでしょう？」と言われる始末。しかし、菜都美にもかつて女の子だった時代があったのだ。いつも友達がいた。海と山の見える小さな町で出会った、みさちゃんときいちゃん。情けないことも楽しくて輝いていたことも、自分の全てを受け入れてくれた大切なともだち。あの友達と過ごした日々が、今も自分を励ましてくれていることに菜都美は気づいていく。一人っきりで歩いてきたんじゃないことを知った時、菜都美の心にある変化が起こり始める。