ブラインドネス

交差点で立ち往生する車。運転している日本人の男性は、完全に視力を失っていた。彼は家まで送り届けられるが、車は盗まれてしまった。各地で失明者が続出していた。驚異的な感染力でそれは広がっていった。政府は緊急隔離政策を発動し、感染者の強制収容を始める。かつて精神病院だった収容書に集められた患者たち。その中に、ただ一人感染を免れ「見える」女がいた。夫の身を案じて紛れ込んだ医者の妻だった。ラジオからは、感染が世界中に広がったと伝える。混乱した警備兵が、入所しようとする患者を射殺。第三病棟の王を名乗る男が、銃を振りかざし、暴力で全権を握った。食料を独占し、金を払わす男と仲間たち。金が無いものは女を差し出せ! 女たちは、生きるために屈辱に耐える。収容所は地獄と化していた。やがて一人の女が殺された。怒りに震える医者の妻は、ハサミを手に第三病棟へと向かう。第三病棟の争いは激しさを増し、ついに臨界点に達する。