ICHI

盲目の女が一人旅を続けている。三味線を弾きながら唄う旅芸人、市。男たちが手をかけようとする時、一人の侍・十馬が止めに入った。だが、男は刀を抜くことができない。その瞬間、市の杖に仕込んだ刀が男たちを容赦なく斬り捨てた。十馬は賭場でひと儲けした帰り道、5人の男たちに囲まれる。ここでも刀を抜けない。一瞬で5人を斬ったのは、またしても市だった。彼らは町を荒らす万鬼の手下。町を仕切る虎次は、彼らを倒したのは十馬だと思い込み、十馬を用心棒に雇った。不穏な空気の中、市は十馬と惹かれあう。そして、十馬は自分が刀を抜けない理由を打ち明ける。そんな時、万鬼党が町に攻めてきた。市は逆手居合い斬りの男を捜していて、それを知る万鬼と対決するつもりなのだった。市は連れ去られ、十馬が力を振り絞って立ち上がる。市と十馬の運命は…。