ノーカントリー

テキサス州西部の荒野で鹿狩りをしていたモスは、偶然、死体に囲まれたピックアップトラックを発見する。その荷台には、大量のヘロインと200万ドルという大金が残されていた。モスはこの金を奪った。この瞬間から彼は命を狙われることになる。モスは追っ手に車のタイヤを撃ち抜かれ、肩に銃弾を食らいながらも自宅へと逃げ帰った。彼は、妻のカーラ・ジーンに実家に帰るよう命じ、自分は金の入ったカバンと共に逃亡の旅に出る。殺し屋アントン・シガーは、金を奪った男の車や状況を確認した後、自分を案内してきた麻薬の密売人をその場で始末した。そして、モスの行方を追い始める。翌朝、ベル保安官が現場にやって来た。状況を見て、モスが事件に巻き込まれたこと、このままではモスの命が危ないと考え、モスと殺し屋の後を追う。かつてベトナム帰還兵であったモスは逃げおおせる自信があった。殺し屋シガーは、自分から逃れられる者はいないと思っている。そして、保安官は正義が悪に勝つと信じていた。三者の思惑が絡み合いながら、意外なクライマックスを迎えるのだった。