トランシルヴァニア

突然、姿を消した恋人ミランを探すために、ジンガリナは親友のマリーと共にミランの故郷トランシルヴァニアへと旅立つ。だが、再会を果たした彼には、もはや愛情のかけらさえ残っていなかった。ジンガリナは妊娠していたことも告げられず、絶望の淵に立たされる。ジンガリナは、この異国の地で何かを見つけ再生することを求め、献身的に彼女を守ろうとするマリーとも決別するのだった。荒涼とした大地を、ジンガリナとジプシーの少女バンダナが歩いている。傷ついたジンガリナをバンダナが慰める。そんな二人をチャンガロが見つけ声をかける。しばらくして、バンダナは追いかけるジンガリナを残し去って行った。チャンガロとジンガリナ、二人の旅が始まる。体の中に悪魔がいると思い込んでいるジンガリナに、チャンガロは悪魔払いの儀式を手配する。二人で暮らしていても何も過去を話さないジンガリナに、チャンガロは時に挑発しケンカもするが、彼女をいつも見守っている。ジンガリナは無事出産を終えたが、チャンガロはどうしても二人のもとへ近寄ることができない。チャンガロは自らのために楽士たちに演奏を頼み、音楽と酒に身を浸す。彼の様子は、迷いと苦しみに満ち、途方もなく切ない。楽士たちは、ついにいたたまれなくなり「音楽は生きるための力だ。苦しむためじゃない」と言い、チャンガロを残し去って行く。チャンガロは、ついに何かを決心したように二人のもとへ戻るが、そこには二人の姿はなかった。ある日、チャンガロはジンガリナを見つける。そこには母となり生まれ変わったジンガリナがいた。彼女の心は希望の光で満ちていた。
公開日
2007年8月11日(土)
監督
トニー・ガトリフ
脚本
トニー・ガトリフ
撮影
セリーヌ・ボゾン
音楽
トニー・ガトリフ デルフィーヌ・マントゥレ
出演
アーシア・アルジェント アミラ・カサール ビロル・ユーネル
製作年
2006
製作国
原題
TRANSYLVANIA
上映時間
102
INTRODUCTION
ロマの血を引くトニー・ガトリフ監督待望の最新作。2006年カンヌ映画祭のクロージングを飾った『トランシルヴァニア』は、ガトリフ監督がずっと以前から描きたかったテーマである。それは、「愛する男を捜すために世界の果てへと旅立つ女性」であり、監督初の女性が主役の映画である。異郷の地、トランシルヴァニアを舞台に、傷つき苦しみながら、自らを再生していくジンガリナ。その女性をアーシア・アルジェントが見事に演じている。激しい情熱の中の怒り、哀しみ、喜び、脆さ、すべてをさらけ出した体当たりの演技。そして、ジンガリナの親友マリーをシャネル、ゴルチエのモデルとして活躍後、女優デビューを果たしたアミラ・カサールが熱演。破滅的な危うさと、繊細な優しさを併せ持つチャンガロを、圧倒的な存在感でビロル・ユーネルが演じた。また、ガトリフ作品は、常に映像と寄り添うようにロマの音楽とダンスが登場する。言葉では表現出来ない生命力が散りばめられているのである。本作もトランシルヴァニアの不思議な魅力溢れる民俗音楽を元に、音楽担当のデルフィーヌ・マントゥレと共に監督がオリジナルの曲を作っている。それを現地で出会ったミュージシャンたちが演奏。哀調の旋律と躍動のリズムが溢れ出し、観るものの心を奥深く揺さぶる。
STORY
突然、姿を消した恋人ミランを探すために、ジンガリナは親友のマリーと共にミランの故郷トランシルヴァニアへと旅立つ。だが、再会を果たした彼には、もはや愛情のかけらさえ残っていなかった。ジンガリナは妊娠していたことも告げられず、絶望の淵に立たされる。ジンガリナは、この異国の地で何かを見つけ再生することを求め、献身的に彼女を守ろうとするマリーとも決別するのだった。荒涼とした大地を、ジンガリナとジプシーの少女バンダナが歩いている。傷ついたジンガリナをバンダナが慰める。そんな二人をチャンガロが見つけ声をかける。しばらくして、バンダナは追いかけるジンガリナを残し去って行った。チャンガロとジンガリナ、二人の旅が始まる。体の中に悪魔がいると思い込んでいるジンガリナに、チャンガロは悪魔払いの儀式を手配する。二人で暮らしていても何も過去を話さないジンガリナに、チャンガロは時に挑発しケンカもするが、彼女をいつも見守っている。ジンガリナは無事出産を終えたが、チャンガロはどうしても二人のもとへ近寄ることができない。チャンガロは自らのために楽士たちに演奏を頼み、音楽と酒に身を浸す。彼の様子は、迷いと苦しみに満ち、途方もなく切ない。楽士たちは、ついにいたたまれなくなり「音楽は生きるための力だ。苦しむためじゃない」と言い、チャンガロを残し去って行く。チャンガロは、ついに何かを決心したように二人のもとへ戻るが、そこには二人の姿はなかった。ある日、チャンガロはジンガリナを見つける。そこには母となり生まれ変わったジンガリナがいた。彼女の心は希望の光で満ちていた。
CASTING
●アーシア・アルジェント 1975年生まれ。イタリア出身。9歳の時、TVドラマ『Sogni e bisogni』(84-85)で女優である母と共演しデビュー。1987年ピーター・グリーナウェイ監督『Zoo』でヨーロッパ・ゴールデン・グローブ賞受賞。『マリー・アントワネット』(06)で、娼婦から成り上がったマダム・バリー役など幅広く国際的に活躍。04年、監督・脚本・主演の三役で、『サラ、いつわりの祈り』を映画化する。 ●アミラ・カサール 1971年生まれ。イギリス出身。14歳のときに写真家のヘルムート・ニュートンに見出され、シャネルやジャン=ポール・ゴルチエのモデルとして活躍しながらパリで演劇を学ぶ。主な出演作は、『アデュー、ぼくたちの入江』(97)、『アラビアン・ナイト』(99)、『シルヴィア』(03)など。 ●ビロル・ユーネル 1961年生まれ。トルコ出身。舞台俳優として、1992~93に「カリギュラ」や「Bericht an Akademie」の演出・主役も演じている。映画『愛より強く』(04)では、セクシーで暴力的、クールでパンクな中年男を熱演して話題となる。『太陽に恋して』(00)、『スターリングラード』(01)などに出演。
配給会社
日本スカイウェイ

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