めがね

南の海辺の小さな町。タエコは、大きなトランクと手描き地図を持って、ひとり空港に降り立った。そして、ハマダという宿にたどり着いた。宿の主人・ユージ、犬のコージに出迎えられる。翌朝、めがねの女・サクラに起こされ、それからタエコにとっては不思議なことばかり起こるのだった。浜辺で行われる「メルシー体操」、宿周辺でぶらぶらしている高校教師・ハルナ、人々に笑顔でかき氷をふるまうサクラたち。タエコは観光したいと告げるが、観光するところは無いと言う。周囲のマイペースさに耐えきれず、一軒の宿・マリン・パレスへ行く。だが、そこも探していた場所ではなかった。道に迷い、途方に暮れるタエコの前に、自転車に乗ったサクラが現れる。再び、ハマダの宿へ。そこで、少しずつたそがれ始めるタエコ。数日後、タエコを青年・ヨモギが追ってきた。さらにゆったりと時は流れていく。