怪談

(C)2007「怪談」製作委員会
下総の国・羽生にある「累ヶ淵」は、累(かさね)という女が亭主に殺され、この淵に沈められた。それ以来、この淵に沈んだ者は二度と浮かび上がらないという言い伝えが広まった。時は流れ、江戸時代中頃。深見新佐衛門は、借金催促に来た皆川宗悦を殺害し、累ヶ淵に沈めた。それから、新佐衛門は宗悦の怨霊にとりつかれ、狂って妻を斬殺。深見家は取り潰しになったのだ。その20年後。新吉という若者と、三味線の師匠・豊志賀が出会う。豊志賀は新吉に惚れ込み、嫉妬深くなった。三味線の稽古に身が入らない。豊志賀の妹のお園が心配して、新吉と縁を切るように頼むが耳をかさない。しだいに、豊志賀の評判は地に落ちてしまった。そんな豊志賀のために、新吉は別れ話をするが、弾みで豊志賀の顔に傷をつけてしまった。美しかった豊志賀の顔は醜く腫れあがり、すっかり生気を失った。そして、「この後女房を持てば、かならずやとり殺す」と言って、この世を去っていった。だが、新吉は豊志賀の弟子のお久と恋仲になる。二人で江戸へと向かう途中、お久は半狂乱になり、止める新吉は気がつくとお久を殺していた。そこは、あの累ヶ淵だった。

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