ツォツィ

(C)2006 TSOTSI FILMS (PTY) LTD.
2005年度米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。 過酷な子供時代をひとりで生き抜いてきたツォツィ(=不良)は、仲間にさえも容赦のない非情な青年。ある日、強奪した高級車に生後間もない赤ん坊を見つけ、怒りと憎しみしか知らない心に疼くような痛みを覚える。
公開日
2007年4月14日(土)
監督
ギャヴィン・フッド
脚本
ギャヴィン・フッド
撮影
ランス・ギューワー
音楽
マーク・キリアン ポール・ヘプカー
出演
プレスリー・チュエニヤハエ テリー・フェト ケネス・ンコースィ イアン・ロバーツ
製作年
2005
製作国
南アフリカ=英
原題
TSOTSI
上映時間
95
INTRODUCTION
2006年、本作はアフリカ映画初のアカデミー賞外国語映画賞受賞の快挙を成し遂げた作品である。豪邸に暮らす黒人がいる傍らには、水道や電気が通っていないボロボロの家に住む黒人がいる。アパルトヘイトが終わって10年経ても、「世界一の格差社会」といわれる南アの過酷な現状を写し出している。激化する社会犯罪、エイズ孤児の問題など社会は暗い影に包まれているのだ。監督は、南アフリカのヨハネスブルク出身のギャビヴィン・フッド。主人公ツォツィに扮するのは、映画の舞台であるソウェト出身の新人プレスリー・チュエニヤハエ。南アの舞台でキャリアを積み、圧倒的な存在感を見せつける。原作は南アフリカを代表する劇作家、アソル・フガード。これまでに、アパルトヘイトをテーマにした戯曲を数多く書き、黒人たちと舞台を通じて、国の抱える問題を広く世界に知らしめた。音楽は、南アのスーパースター、Zolaが全面的に楽曲提供をしている。
STORY
南アフリカの貧しいスラム街に住むツォツィは、幼い頃から社会の底辺で生きてきた。ツォツィの仲間は、教師くずれのボストン、冷血なブッチャー、デブのアープ。彼らはいつものように獲物を求める。ヨハネスブルク中央駅で、男の財布を奪い、声をあげる男の腹にアイスピックを刺し込むのだ。ある時、ボストンは、リーダー格のツォツィをなじった。「おまえは捨て犬か?」と叫んだ途端、ツォツィはボストンが血だらけになるまで殴った。ツォツィは、スラム街を抜け、豪邸が建ち並ぶ通りに立っていた。車で帰宅した黒人女性を見つけると、銃で脅してBMWを盗んだ。そして、追いすがる彼女に銃弾を浴びせたのだ。盗んだBMWを走らせていると、車内に赤ん坊の泣き声が響いた。後部座席に生後数ヶ月ほどの赤ん坊が乗っていたのだ。それを聞いて、ツォツィは道を外れて標識に衝突した。動揺するツォツィ。次の瞬間、ツォツィは赤ん坊を抱き上げ、紙袋に入れて、歩きだした。赤ん坊との日々。やがてツォツィは、小さな命と向き合うことで命の価値に気づくのだった。
CASTING
●プレスリー・チュエニヤ 1984年南アフリカ・マフィケン生まれ。16歳の時にSABC TVの“Orlando”でテレビデビュー。演劇ではマバーナ・アーツ・ファウンデーションの舞台に立つ。グラハムズタウン芸術祭では“真夏の夜の夢”や“Cards”に出演した。本作で映画デビューを飾った。 ●テリー・ペート グラハムズタウン芸術祭で“Amasiko”と“Park to Dawn”の舞台に立ち、ヨハネスブルグのマーケット・シアター・ラボラトリーとプレトリアの国立劇場で“Devil’s Protest”に出演した。 ●ケネス・ンコースィ ヨハネスブルグ・シビック・シアターで上演されたコメディ“Afrodiza”でデビュー。シビックやマーケット・シアターの数々の舞台で活躍。 ●ゼンゾ・ンゴーベ マクーフェ文化祭やグラハムズタウン芸術祭の“リア王”や“Cards”をはじめとする舞台や芸術祭で活躍。 ●ZOLA 2000年に“Mdlwembe”でCDデビューを飾り、多くの批評家たちから絶賛された。その後、アルバム“Khokhovula”と“Bhambatha”を続けてリリース。2002年度の最優秀アーティスト、“Tizo Yizo”で最優秀サウンドトラック賞、“Ghetto Scandalous”で最優秀ミュージック・ビデオ賞、“Mdlwembe”で最優秀クワイト・アルバム賞など、南アフリカで数多くの賞を受賞。
配給会社
日活

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