駐在所日記

(C)KADOKAWA 1957
四十三歳の独身者三平巡査は牛深村の駐在所勤務である。溪流を中に向き合う二つの旅館は親代々仲が悪い。清流荘と緑風館は村のバス停留場前でいつもお客の争奪戦を演じる。清流荘の孫・小学校教員勇作は目下バス車掌の雪江と恋愛中だ。この平和な村にある日三つの事件が起きた。怪しげな御祈祷婆さんが現われたこと、祝言の席で花嫁花婿が失踪したこと、それにどぶろく密造取締りに税務署員がやってきたこと、の三つの事件だ。

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