恋しくて

高校生になった加那子は、ある日、幼なじみの栄順と再会した。おばぁの家に引っ越したきり、栄順とは会う機会が無かったのだった。加那子の兄セイリョウが、バンドをやろうと言い、栄順、マコトが集まった。加那子の母親は、バーでプロの歌手をしている。父親はピアニストで作曲もしたが、加那子が4才の時に居なくなってしまった。本土出身の父は「奄美に歌を探しに行く」と出て行ったきりなのだ。それ以来、加那子は歌えなくなってしまった。そんな彼女を栄順は気づかい、やがて二人は恋に落ちる。キーボードに栄順の同級生の浩が加わり、栄順たちは東京大会の出場権をかけたバンド大会を自ら主催し出場。見事優勝するのだが、セイリョウに思わぬ運命が降りかかるのだった。東京行きの夢や、栄順と加那子の恋の行方は?