魂萌え!

関ロ敏子、59歳。夫は定年を迎え、夫婦ふたりで平穏な生活を送っていた。だが、夫が心臓麻痺で急死し、敏子の人生は一変する。亡くなった夫の携帯電話に、見知らぬ女性からの電話がかかってきた。また、8年ぶりに現れ同居を迫る長男･長女を巻き込み、持ちあがる相続問題。世間知らずの専業主婦である敏子は、夫に裏切られていることに気付かなかった貞淑な妻なのである。次々と迫ってくる孤独や不安に、敏子は立ち向かっていく。夫の女との戦い、息子たちとの向き合い。そして、携帯電話を買い、スケジュール帳に初めて自分のスケジュールを書き込む。妻でもない母でもない一人の女として、新たな人生を切り開く決意を固める敏子がいた。