あなたになら言える秘密のこと

ハンナは、誰にも話せない過去の秘密を抱え、心を閉ざして生きている。友達もなく、趣味や遊びも楽しまない。勤め先の工場と一人暮らしの部屋を往復するだけの生活。ある日、働きすぎを理由に工場長から1ヵ月間の休暇を取らされた。ハンナは、あてもなく見知らぬ街へと向う。ある店で、看護士を探しているという話を聞き、ハンナは男の看護を頼まれることになった。その男ジョセフは、油田事故で重症を負っていた。手術するまで目も見えないのだ。海に浮かぶ人工島のような掘削所で、2週間看護するのだ。ジョセフはハンナに様々な質問をするが、ハンナは答えない。そのうち、ユーモアに満ち溢れたジョゼフや油田採掘所の仲間たちに、少しずつ心を解きほぐされていく。そして事故の原因でもあるジョゼフの秘密を打ち明けられたハンナは、自分の秘密とも向き合うことを決意するのだった。