愛の流刑地

(C)2007「愛の流刑地」製作委員会
かつてベストセラー作家として注目された村尾菊治は、都内マンションの一室で入江冬香の首に手をかけ殺害した。菊治は、妻子とも別居し、大学の講師や雑誌などで細々と暮らしている。入江冬香は、エリートサラリーマンの夫と3人の子どもと一緒に不自由のない幸せな生活を送っていた。前年の秋、菊治は取材で訪れた京都で冬香を紹介され、ほどなく二人は京都のホテルで密会を重ねるようになる。早朝の新幹線で京都へ向かい、午前中の、二時間足らずの逢瀬を楽しむのだ。正月。故郷・富山に帰省していた冬香が、東京の菊治のマンションを訪れた。冬香の夫が転勤となり東京へ引っ越すことを告げる。春。菊治のマンションの沿線に冬香が引っ越してきたことで、ますますの逢瀬を重ねる二人。冬香はどんどん妖艶になっていく。冬香の誕生日、二人は箱根へ一泊旅行に出かける。その晩、激しい情事の途中で、冬香は「お願い殺して。首を絞めて」と菊治に懇願する。だが、菊治には殺せなかった。盛夏、花火見物の夜。夜が明ける頃、菊治は冬香の訴えを聞いて彼女の首を絞めた。部屋には菊治の新作『虚無と熱情』の原稿と、愛の記録の入ったボイスレコーダーが残された。自首した菊治。担当の女性検事・織部は、どこか冬香の気持ちに共感を持ちはじめる。

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