奇跡の朝
(C)Haut et Court， France 3 Cinema，Gimages Developpement.
1万3千人もの死者が蘇り、静かな街に大量に流れ込んできた。蘇生者たちは元の家族と暮らすことになるが、しばしば放心状態を繰り返し深夜に徘徊する彼らの姿は、次第に社会に波紋を呼び始める。
- 公開日
- 2006年9月23日(土)
- 監督
- ロバン･カンピヨ
- 撮影
- ジャンヌ･ラポワリー
- 製作年
- 2004
- 製作国
- 仏
- 原題
- LES REVENANTS
- 上映時間
- 103
- INTRODUCTION
- 永遠に旅立った人々が、生前の姿のままに、家族や恋人の日常に戻ってきた。彼らを受け入れる社会は、家族はどのように向き合っていけばいいのか？この世を去った恋人の突然の出現に動揺するラシェル役には、「ナイト・オブ・ザ・スカイ」のジェラルディン・ベラス。その恋人マチューには「真夜中のピアニスト」のジョナサン・ザッカイ。ほか、フレデリック・ピエロ、カトリーヌ・サミー、ヴィクトール・ガリヴィエなどベテラン俳優陣がしっかりと脇を固めている。撮影は、「焼け石に水」をはじめ、フランソワ・オゾンの作品を手掛けてきた名手ジャンヌ・ラボワリーが担当している。監督は、フランス映画界新進気鋭のロバン・カンピョ。本作で長編デビューとなる。第61回ヴェネチア国際映画祭をはじめ、新人では異例の27もの映画祭に出品された。日本では2006年フランス映画祭で上映され好評を博している。
- STORY
- フランスのある街、静かな朝。無数の人々がゆっくりと街に流れ込んでくる。その異様な光景をただ茫然と眺める人々。調査に乗り出した行政が得た事実は、これまで人類が経験した事にない事態だった。街に訪れた人々は、ほとんどが過去10年以内に死亡した人たちで、生前とまったく変わらない姿で蘇ってきたのだ。その数1万3千人。市議会では、事態を収拾するために、赤十字や警察、陸軍と協力して、受け入れ場所や衣服、食料供給を決定する。しかし、蘇生者の社会復帰が大きな問題となった。途方に暮れる市長が、ふと窓に目をやると、亡くなったはずの妻マルタが自分に向って手を振っているではないか。市長は、その光景に茫然としてしまった。イシャムは、4年前に亡くなった息子を探して蘇生者収容センターに駆けつけた。希望と不安が交錯する中、ひとりの少年が近づいてきた。それは紛れもなく、息子シルヴィアンだった。専門家の調査では、蘇生者は通常の人間に比べて体温が4～５度低く、夜はあまり眠らない。また、失語症に似た症状と放心状態が見られ、会話も現実のリズムとズレてしまうのだった。何の前触れもなく、街の各地で爆発が相次いで起った。同時に、一斉に蘇生者たちが街に溢れ出し、何処かへ向って歩き出したのである。治安当局は外出禁止令を出し、陸軍を出動させた。そして、愛する者との永遠の別れの時が迫っていた。
- CASTING
- ●ジェラルディン・ペラス 1971年1月8日生まれ。フランス・マルセイユ出身。88年「想い出のマルセイユ」で映画デビュー。91年「La Neige et le feu」でセザール賞有望若手女優賞を受賞。主な出演作は、「IP5/愛を探す旅人たち」（92）、「ドン・ファン」（95）、「Le cout de la vie」（03）、「ふたりの5つの分かれ路」（04）、「ナイト・オブ・ザ・スカイ」（05）など。 ●ジョナサン・ザッカイ 1970年7月22日生まれ。ベルギー出身。92年「Revolution des enfants」で映画デビュー。主な出演作は「愛しのシビル」（00）、「海のほとり」（02）、「彼女の人生の役割」（04）、「真夜中のピアニスト」（05）など。 ●フレデリック・ピエロ 1960年9月17日生まれ。フランス出身。86年「Manege」で映画デビュー。主な出演作は「素顔の貴婦人」（89）、「L627」（91）、「大地と自由」（95）、「コナン大尉」（95）、「フォーエヴァー・モーツアルト」（96）、「HOLY LOLA」（04）など。 ●カトリーヌ・サミー 1933年生まれ。56年「Moliere」で映画デビュー。62年より国立劇団コメディー・フランセーズで活躍し、現在も舞台に立ち続けている。 ●ヴィクトール・ガリヴィエ 1931年9月8日生まれ。フランス出身。54年より舞台俳優として活躍。72年「Quelque oart quelqu un」で映画デビュー。主な出演作は、「Coup De Torchon」（81）、「ふくろうの叫び」（87）ほかテレビシリーズに出演。05年12月、73才で逝去。
- 配給会社
- ロングライド