サラバンド

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マリアンは、夫ヨハンと離婚して30年になる。彼女は、テーブルに山積みになった写真を1枚ずつ取り出しながら、娘のことや別れた夫のことなどを語りはじめる。やがて、なにかの啓示のように、30年ぶりに彼の別荘を訪ねる決心をするのだった。マリアンは森と湖が広がるヨハンの別荘に行き再会を果たす。そこには、過去の軋轢を乗り越えたかのような、穏やかで、親密な空気があった。別荘の近くには息子のヘンリックとその娘カーリンが住んでいた。ある日、マリアンのもとへカーリンが飛び込んできて、父親への不満をぶちまけた。やがてカーリンは、落ち着きを取り戻して父親の元に戻る。ヘンリックは、2年前に病死した妻アンナとの思い出について、娘に語り始める。結婚直前にアンナを失いそうになったことを話した。1週間後、ヘンリックは父親のヨハンを訪ねる。ヘンリックはカーリンのために、父親に借金を申し出たのだ。チェロの名器があり、それを彼女に買い与えたいと。しかし、ヨハンは激怒する。それは、50年前にお互いが憎しみ合ったことがあり、それが今まで後を引いていたのだ。ヘンリックは教会でバッハの《トリオ・ソナタ》の第1楽章を奏でる。そこを訪れるマリアン。ヘンリックは、カーリンへの、ひいてはアンナへの強い愛情をマリアンに吐露する。ひとりになった教会で、マリアンは窓からさしこむ強い光に誘われ祭壇の前に行き、そして神に祈るのだった。
公開日
2006年10月21日(土)
監督
イングマール・ベルイマン
脚本
イングマール・ベルイマン
撮影
レイモンド・ウェンメンロヴ ペーオー・ラント ソフィ・ストリッド
出演
リヴ・ウルマン エルランド・ヨセフソン ボリエ・アールステット
製作年
2003
製作国
スウェーデン
原題
SARABAND
上映時間
112
INTRODUCTION
ゴダール、ウディ・アレン、ロバート・アルトマン、ラース・フォン・トリアー、ジム・ジャームッシュなど、巨匠と呼ばれる作家たちがこぞって絶賛したイングマール・ベルイマン。彼の最高傑作と称される作品が誕生した。『ファニーとアレクサンデル』以来、20年ぶりに映画に挑んだのだ。85才の最新作である。それは、1974年に撮った『ある結婚の風景』の続編。その作品は、弁護士のマリアンと医師のヨハンの、一見平穏で円満そのものにみえた夫婦関係に亀裂が生じ崩壊する様を描いている。全6話からなる5時間を越えるテレビ・シリーズとして製作され、映画版は168分に編集したもの。ゴールデン・グローブ賞外国映画賞、全米批評家協会賞作品賞、NY批評家協会賞女優賞などを受賞し、日本では81年に公開された。フランス映画の鬼才フランソワ・オゾンが『ふたりの5つの別れ路』を撮る際に、この作品から深くインスパイアされたと表明している。『サラバンド』では、離婚後の二人がどうなったのか、片田舎の別荘で隠遁生活をしているヨハンについてマリアンが語るのである。
STORY
マリアンは、夫ヨハンと離婚して30年になる。彼女は、テーブルに山積みになった写真を1枚ずつ取り出しながら、娘のことや別れた夫のことなどを語りはじめる。やがて、なにかの啓示のように、30年ぶりに彼の別荘を訪ねる決心をするのだった。マリアンは森と湖が広がるヨハンの別荘に行き再会を果たす。そこには、過去の軋轢を乗り越えたかのような、穏やかで、親密な空気があった。別荘の近くには息子のヘンリックとその娘カーリンが住んでいた。ある日、マリアンのもとへカーリンが飛び込んできて、父親への不満をぶちまけた。やがてカーリンは、落ち着きを取り戻して父親の元に戻る。ヘンリックは、2年前に病死した妻アンナとの思い出について、娘に語り始める。結婚直前にアンナを失いそうになったことを話した。1週間後、ヘンリックは父親のヨハンを訪ねる。ヘンリックはカーリンのために、父親に借金を申し出たのだ。チェロの名器があり、それを彼女に買い与えたいと。しかし、ヨハンは激怒する。それは、50年前にお互いが憎しみ合ったことがあり、それが今まで後を引いていたのだ。ヘンリックは教会でバッハの《トリオ・ソナタ》の第1楽章を奏でる。そこを訪れるマリアン。ヘンリックは、カーリンへの、ひいてはアンナへの強い愛情をマリアンに吐露する。ひとりになった教会で、マリアンは窓からさしこむ強い光に誘われ祭壇の前に行き、そして神に祈るのだった。
CASTING
●リヴ・ウルマン 1939年12月16日生まれ。57年映画デビュー。『移民者たち』『The New Land』の演技でゴールデン・グローブ賞受賞。全米映画批評協会賞を4年連続で受賞し、92年、監督デビュー作『Sofie』がモントリオール国際映画祭で主要3賞を受賞。76年には自伝「チェンジング」を発表し、作家デビューも果たした。 ●エルランド・ヨセフソン 1923年6月15日生まれ。ストックホルム出身。主な出演作は、『サクリファイス』『プロスペローの本』『存在の耐えられない軽さ』『ユリシーズの瞳』『Sofie』『リヴ・ウルマンのクリスティン』など。 ●ボリエ・アールステット 1939年2月21日生まれ。ストックホルム出身。67年『私は好奇心の強い女〈イエロー篇〉』で注目される。主な出演作は、『ファニーとアレクサンデル』『愛の風景』『日曜日のピュ』『In the Presence of a Clown』など。 ●ユーリア・ダフヴェニウス 1975年生まれ。ロイヤル・ドラマティック・シアターで活躍。01年シェークスピアの「真夏の夜の夢」の舞台で〈ヘレナ〉の代役を勤め、その後「十二夜」のオリビア役をも演じた。「リア王」ではボリエ・アールステットと競演している。『サラバンド』が映画デビュー作となる。
映倫
20

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