ダスト･トゥ･グローリー

11月19日、レース”バハ1000”に約1200人の冒険者たちが集まって来た。本作のプロデューサー、マイク・マウス・マッコイも、オートバイの”クラス30”で出場する。マウスの父、マイク・マッコイは”バハ1000”のパイオニア的存在で、その父親から初めてもらった誕生日プレゼントがオートバイだった事から、彼のライダー人生が幕を開けた。そして、彼はたった一人で1000マイル(1600km)を走りきるという。11月20日、早朝。レースはオートバイからスタートした。30年間、レースから遠ざかっていた67年の第1回開催の覇者であり、オフロードの伝説的ライダーであるJ.N・ロバーツ(62歳)は、息子のジミ一を伴って参加。バギー、四輪が次々とスタート切る。78年のF1ワールド・チヤンピオンであるマリオ・アンドレッティは語る。「ここではどんなに腕のあるレーサーでも、ちょっとした岩に乗り上げたら車は簡単に横転してしまう。だから面白いんだ」 11月20日。レー一ス中盤。”バハ1000”は一部、公道を走る。その際のル一ルは、一般車両と同じスピードを守らなければならない。だが、順位を競うワークス車たちのイライラが頂点に達し、つい、アクセルを踏み込んでしまう。すかさずパトカーが飛んできて、70人の選手が逮捕されてしまった。罰金を払い、パトカーに先導されながら再びレースに戻る選手たち。11月21日、未明。約1/4の選手がここでリタイアする。まさに”魔の時”。一人で戦ってきたマウスも暗闇の砂漠でクラッシュし、骨折をしてしまった。マウスは新たなるゴールにたどり着くことはできるのだろうか。