雨音にきみを想う

ウィンインは香港の郊外で暮らしている。兄のフェンは、全身麻痺で24時間看護が必要だ。彼の娘シウヤウはまだ5歳。ウィンインは彼らの世話に追われるという、貧しく辛い生活を送っている。彼女は、兄と同じ遺伝性の病におかされているのだ。ある日、チョッカンという青年が彼女の前に現れた。幼稚園の帰りに迷子になってしまった、シウヤウを家まで送り届けてくれたのだ。数日後、チョッカンはフェンに電動車椅子をプレゼントしたいと言い、ウィンインの前に現れた。彼女は警戒心を抱いていたが、しだいに心を開き、二人は惹かれあうようになる。しかし、彼には秘密があった。チョッカンは、組織の若きボスのフーに一目置かれている凄腕の泥棒だったのだ。フェンは前妻と復縁できないことや、病気のことで迷惑かけたことから自殺してしまった。ウィンインは悲しい中、自分の遺伝性の病気の恐怖を感じていた。一方、チョッカンは組織の人間からフーを殺害することで、多額の報酬金がもらえるという話を耳にする。ウィンインとシウヤウの将来のため、その金が必要であると感じたチョッカンは突然、姿を消してしまう。