デュエリスト

偽金が大量に出回った朝鮮王朝時代。若い女刑事ナムスンは、酒売り娘に変装して捜査にあたっている。彼女は、父親のような先輩アン刑事に仕込まれ、武術の腕は一級である。小さな金の仏像の受け渡しをしている男たちを斬り、一瞬の早業でそれを奪う鬼の仮面をつけた男。ナムスンは、その仮面の男を追って剣を交える。仮面が割れ、端正な若い男の顔が現れた。だが、仮面の男は逃げてしまった。その夜、捕盗庁に集まったナムスンら６人の刑事は、極秘で捜査を進めることにする。男装してアンとともに居酒屋の客となり、商人たちの噂話に聞き耳を立てるナムスン。どうやら偽金は国中に出回っているらしい。官印を偽造できる唯一の男は獄中のはずだが、１カ月前に悲しい目をした男が大金を払って釈放させたという。その人相書きは、ナムスンが戦った男にそっくりだった。満月の夜、路地で”悲しい目”の待ち伏せにあうナムスン。一対一で剣を交えながら、ナムスンの胸の鼓動は高鳴る。激しい闘いは、どちらかが命を落とすまで果てしなく続くかと思われたが、服を切られて胸があらわになり、動揺するナムスン。”悲しい目”はとまどいの色を浮かべ、次の瞬間、闇に消えた。偽金事件の背後には、社会の混乱に乗じて王を退位させ、次の王にソン長官の娘を嫁がせるという朝廷絡みの謀略があることがわかった。そこで、ナムスンに密かに潜入捜査が命じられた。”悲しい目”はソン長官の傍らで運命の時を待っていた。ついに壮絶な闘いの火蓋が切って落とされ、それぞれの側で闘うナムスンと”悲しい目があった。