単騎、千里を走る。

2005 ELITE GROUP(2004) ENTERPRISES INC.
公開日
2006年1月28日(土)
監督
チャン・イーモウ 降旗康男
脚本
ヅォウ・ジンジー
撮影
チャオ・シャオティン 木村大作
音楽
ガゥオ・ウェンジィン
出演
高倉健 寺島しのぶ リー・ジャーミン チアン・ウェン チュー・リン ヤン・ジェンボー
声優
中井貴一
製作年
2005
製作国
中=日
原題
千里走単騎/Riding Alone for Thousands of Miles
上映時間
108
INTRODUCTION
外国映画が上映されることのなかった中国で、1978年に外国映画の開放政策が始まった。その記念すべき第1作となったのが、高倉健主演映画「君よ憤怒の河を渉れ」だった。当時ほぼ中国全土で公開され、高倉健の名は一躍知れ渡ったのである。この映画を見ていたのが青年のチャン・イーモウだった。そして、「いつか、高倉さんの映画を撮りたい」という願いがかなったのが本作である。チャン・イーモウ監督は「紅いコーリャン」で監督デビューし、同作品はベルリン映画祭で金熊賞を受賞。以来ベネチア映画祭で金獅子賞「秋菊の物語」(92)、「あの子を探して」(99)で2度カンヌ映画祭でパルム・ドール。「活きる」(94)など、3大映画祭で数々の名だたる賞を受賞した。また、エンターテインメント超大作「HERO」(03),「LOVERS」(04)で世界的な大ヒットを飛ばし、まさに世界が注目する映画監督としての地位を不動のものとした。一方で永年の夢を実現すべく、00年夏に高倉健と共に企画をスタートさせた。完成した本作は高倉健とのコラボレーションの結果、「あの子を探して」「初恋の来た道」等を彷彿させる、心の触れ合いを描くヒューマンな物語となったのである。撮影監督を担当したのはチョウ・シァオディン。録音は、チャン・イーモウ監督と同期生でこれが3本目の作品となるトウ・ジン。ほか監督を支えてきた中国映画界の精鋭スタッフが集結した。
STORY
漁師の高田は、東京で民俗学を研究している息子・健一が病で倒れたと聞き上京する。しかし長年の確執もあり、息子は会うことを拒むのだった。命がもう長くないことを知り、高田はとてもやり切れない。健一の妻・理恵が、高田の心情を汲み、研究家としての健一の仕事振りを紹介したテレビ番組のビデオテープをそっと渡す。そこには、健一が中国の奥地・李村の民俗舞踊を研究・紹介する姿が映し出されていた。そして健一が舞踊家・李加民に語りかけるシーンに高田の目が留まった。「来年、李さんの“千里走単騎”を撮りに来ます!」それは、今となっては、決して果たされぬ約束。そこで高田は、息子健一の約束を自分が代わりに果たすことを決意する。数日後、高田は単身、ミャンマーの国境近くの中国・麗江市に降り立っていた。手がかりは、李村に住む李加民という名前のみ。しかも高田の道案内する通訳・邱林は日本語が下手で当てにできない。やっとの思いでリーのもとに辿り着く。しかし、リーは生き別れになったヤンヤンのことを想うと「千里走単騎」を舞うことが出来ないという。リーは息子に会いたいと涙ながらに懇願するのだった。仮面劇を撮影するために高田はヤンヤンを迎えにいくことにする。中国奥地へと向う旅。多くの人に出逢う。そして父親との再会を拒むヤンヤンの姿があった。高田がこの旅で見つけたものは、人の優しさであった。そして、遠い昔になくしてしまった家族の意味を取り戻していく旅でもあった。
CASTING
●高倉健(高田) 1931年生まれ。福岡県出身。24才で東映からデビュー。「日本侠客伝」「網走番外地」「昭和残侠伝」など任侠シリーズが大ヒット。70年「TOOLATE THE HERO」でハリウッドデビュー。75年「ザ・ヤクザ」で注目される。78年「八甲田山」「幸せの黄色いハンカチ」で日本アカデミー賞主演男優賞ダブル受賞。89年「ブラック・レイン」に出演。200本目の作品は「ミスター・ベースボール」(93)。 ●寺島しのぶ(高田理恵) 1972年生まれ。京都市出身。92年テレビ「詩城の恋人」でデビュー。96年「華岡清州の妻」で文化庁芸術祭新人賞、松尾芸能賞新人女優賞受賞。03年「赤目四十八瀧心中未遂」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞など多数受賞。主な出演作は、「ヴァイブレーター」(03)、「ゲロッパ!」(03)、「クイール」(04)、「東京タワー」(05)、「大停電の夜に」(05)など。 ●中井貴一(高田健一/声の出演) 1961年生まれ。東京都出身。81年「連合艦隊」で映画デビューし、日本アカデミー賞新人賞を受賞。主な出演作は「忠臣蔵 四十七人の刺客」(94)、「マークスの山」(95)、「愛を乞う人」(98)、「壬生義士伝」(02)、「亡国のイージス」(05)など。
配給会社
東宝

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