スリーピングフラワー

深雪の姉の千春は、医者に田舎での休養をすすめられた。そして、深雪も一緒に田舎へと出かけていくのでであった。キャベツ畑が続く中、やっとたどり着いたのは、ホテルとは名ばかりの古い佇まい。到着するとすぐに、活動的な深雪は荷物を置いて近くを探索に出かける。千春は残ってオーナー“オヤジ”の帰りを待つことにした。ホテルを飛び出した深雪は、ヒッピー姿のかず子に出会ったり、釣り人・峰さんに声を掛けたり。その夜、食卓に付く深雪、千春。落ち着かない様子で正午が料理を運んでいる。正午はホテルの息子だったのだ。深雪と正午は意気投合し、日中ほとんど一緒に過ごすようになる。散歩から帰ってくると、千春はオヤジの料理を手伝っている。生き生きとした目で料理を手伝う千春。翌朝、正午と深雪は迷路のような雑木林を散歩に出かける。雑木林を抜けた丘の頂上は下が崖になっている。ここから正午の母親が飛び下りたという。ある日、眠っている深雪を残し、正午と千春は買出しに出かけあの雑木林を散歩する。眠りから覚めた深雪は、正午を探して、崖にいる2人の姿を見つけ気を失ってしまう。美雪を見つけたオヤジは、ホテルにつれて帰りベットに寝かせるが、糸に引っ張られるかのように、また雑木林に向かって歩いていく。そして崖の前で立ちつくし、力なく景色をボーっと眺めている。今にも崖から飛び降りそうな表情で。深雪がいない事に気づいた千春と正午はホテルを飛び出す。崖で深雪を見つけるのだった。深雪は千春の静養のためにここにきていると思い込んでいたが、本当は深雪ほ方が病気だったのだ。