世界

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北京郊外のテーマパーク「世界公園」は、エッフェル塔、ピラミッド、ピサの斜塔など、世界各地の名所旧跡が縮小されて点在している人気スポットである。ここでダンサーとして働く26歳のタオは、年下のダンサーたちから「姐さん」と慕われている。彼らの日常が始まる。青年リャンズーが楽屋を訪ねてきた。彼は、タオのかつての恋人で、モンゴルのウランバートルに行く前にタオに会いに来たのだった。タオは現在の恋人タイシェンを紹介する。タイシェンは公園の守衛主任。3人は北京駅まで行き、そこでリャンズーは旅立った。その後、2人は駅前の安ホテルに行く。リャンズーに会って激しい嫉妬心を抱いたタイシェンは、「俺を愛していると今証明してくれ」とタオに迫るが、タオは拒絶するのだった。先輩のダンサーに誘われてパーティに行くタオ。ビジネスマンたちのカラオケ・パーティで、タオは一人の中年男にしつこく言い寄られる。逃げ出してトイレに入ると、偶然にもアンナが入ってくる。アンナは今、そこでホステスとして働いていた。アンナの境遇を思ってタオは泣き出すのだった。タオとタイシェンはホテルに泊まる。「私を裏切らないでね。あなたに裏切られたら私には本当に何もなくなってしまう」とタオ。「裏切らない。でもそんな風に人を信用するんじゃない。頼れるのは自分だけだ」と答えるタイシェン。その夜、2人は初めて結ばれる。それからしばらくして、ウェイとニュウの結婚披露宴。タイシェンが置き忘れた携帯電話を何気なく覗いたタオは、そこに届いていたメッセージを見て表情をこわばらせる。「あなたに会えてよかった。あなたのことは忘れないわ。チュンより」。その夜、タオは寮に帰らない。タイシェンはタオの携帯に電話するが、繋がらない。翌日、女子寮を訪ねると、入ってきたばかりの若いダンサーたちが明るい笑顔でダンスの練習をしている。タオは寮にいないのだった。
公開日
2005年10月22日(土)
監督
ジャ・ジャンクー
脚本
ジャ・ジャンクー
撮影
ユー・リクウァイ
音楽
リン・チャン
出演
チャオ・タオ チェン・タイシェン ジン・ジュエ チャン・チョンウェイ シャン・ワン
製作年
2005
製作国
日=仏=中
原題
THE WORLD
上映時間
133
INTRODUCTION
中国・北京市郊外に実在するテーマパーク、「世界公園」を舞台に、そこれ働くダンサーたちの日常を描き、激動する北京の“いま”を鮮やかに映し出していく。監督は、ベルリン、ベネチア、カンヌと、弱冠30歳過ぎにして世界3大映画祭を制した中国新世代の監督、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)。タオを演じるのは、『プラットホーム』『青の稲妻』の趙濤(チャオ・タオ)。華やかに踊るダンサーであると同時に、恋人と一線を越えることに躊躇する古風な面もある女性を演じている。タイシェン役は、チェン・タイシェン。「海鮮」でナント三大陸映画祭最優秀男優賞に輝いている。建築現場で働くサンライを演じるのは、『一瞬の夢』『プラットホーム』の王宏偉(ワン・ホンウェイ)。また、外の世界へと旅立つ唯一の男リャンズーを演じているのは、『一瞬の夢』『青の稲妻』の美術監督であり、『プラットホーム』では俳優として出演した梁景東(リャン・チントン)。撮影は、1999年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された「千言萬語」、『花様年華』などを手掛けた、ユー・リクウァイが担当している。また、音楽は、台湾のロック・シンガー、作曲家としてカリスマ的人気 を誇り、『好男好女』『憂鬱な楽園』に俳優としても出演しているリン・チャン。『憂鬱な楽園』、『ミレニアム・マンボ』でも音楽を担当している。
STORY
北京郊外のテーマパーク「世界公園」は、エッフェル塔、ピラミッド、ピサの斜塔など、世界各地の名所旧跡が縮小されて点在している人気スポットである。ここでダンサーとして働く26歳のタオは、年下のダンサーたちから「姐さん」と慕われている。彼らの日常が始まる。青年リャンズーが楽屋を訪ねてきた。彼は、タオのかつての恋人で、モンゴルのウランバートルに行く前にタオに会いに来たのだった。タオは現在の恋人タイシェンを紹介する。タイシェンは公園の守衛主任。3人は北京駅まで行き、そこでリャンズーは旅立った。その後、2人は駅前の安ホテルに行く。リャンズーに会って激しい嫉妬心を抱いたタイシェンは、「俺を愛していると今証明してくれ」とタオに迫るが、タオは拒絶するのだった。先輩のダンサーに誘われてパーティに行くタオ。ビジネスマンたちのカラオケ・パーティで、タオは一人の中年男にしつこく言い寄られる。逃げ出してトイレに入ると、偶然にもアンナが入ってくる。アンナは今、そこでホステスとして働いていた。アンナの境遇を思ってタオは泣き出すのだった。タオとタイシェンはホテルに泊まる。「私を裏切らないでね。あなたに裏切られたら私には本当に何もなくなってしまう」とタオ。「裏切らない。でもそんな風に人を信用するんじゃない。頼れるのは自分だけだ」と答えるタイシェン。その夜、2人は初めて結ばれる。それからしばらくして、ウェイとニュウの結婚披露宴。タイシェンが置き忘れた携帯電話を何気なく覗いたタオは、そこに届いていたメッセージを見て表情をこわばらせる。「あなたに会えてよかった。あなたのことは忘れないわ。チュンより」。その夜、タオは寮に帰らない。タイシェンはタオの携帯に電話するが、繋がらない。翌日、女子寮を訪ねると、入ってきたばかりの若いダンサーたちが明るい笑顔でダンスの練習をしている。タオは寮にいないのだった。
CASTING
●チャオ・タオ 中国山西省・太原(タイユェン)出身。北京ダンス・アカデミーの伝統舞踊科を卒 業後、山西大学でダンスを教えていたところ、『プラットホーム』のキャスティングのた めに訪れた賈樟柯に出会い、主役に抜擢される。続いて『青の稲妻』にも主演する。 ●チェン・タイシェン 「海鮮」で初主演を務め、ナント三大陸映画祭最優秀男優賞受賞。同年、李継賢(リー・チーシアン)監督のデビュー作で、ベルリン国際映画祭 で高い評価を浴びた『思い出の夏』に映出演している。 ●ワン・ホンウェイ 1969年生まれ。中国河南省出身。北京電影学院で映画理論を専攻 し、ジャ・ジャンクーと出会う。主な出演作は、「小山の帰郷」『一瞬の夢』『プラットホーム』『青の稲妻』『小さな中国のお針子』など。
配給会社
ビターズ・エンド

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