妖怪大戦争

遊園地のオバケ屋敷に迷い込んだような、ちょっと懐かしいような気分になる。日本の昔話や民話でおなじみの、そしてゲゲゲの鬼太郎でもおなじみの妖怪たちが出るわ出るわ120万匹。それもそのはずで、そもそもこの映画をプロデュースしたのが、水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきという、相当以上に濃い面々。自らプロデュース「怪」と称して全面的にタッチしている。さらにそれぞれ出演までしているというのは、ちょっとやりすぎか。ま、それにしても、こんなにも多士済々な妖怪たちが、スクリーンいっぱいに飛び回るさまは、跳梁跋扈といった古臭い熟語で表現するしかない。いたるところに散りばめられたコメディチックな掛け合いも面白く、夏休みに子供をつれて観に行くにはピッタリかもしれない。妖怪図鑑をながめるような、妙な楽しさにあふれている。 主人公を演じる神木隆之介の天才子役の名に恥じない好演、「キルビル」でも活躍した栗山千明の存在感は、見所充分。