空を飛んだｵｯﾁ

オッチは小学５年生。おばあちゃんと二人暮しだ。ある日、オッチはメジロを捕りに出かけ、大きな樹に登ったが、樹から落ちてしまった。しかし、地面にぶつかりそうになったとき、体がなぜか浮かび上がったのだ。もしかしたら空を飛ぶことが出来るかも。オッチは大喜びでおばあちゃんに空を飛べたことを話した。おばあちゃんは決して人に言ってはいけないという。しかし、オッチは飛びたくてしかたがない。体育の授業でちょっとその力を使ったから、先生もみんなもびっくり。そして、バスケットの選手にも選ばれ、町の小学校との対校試合でも大活躍。オッチは英雄になってしまった。そんなある日、同級生のキヨシに空を飛んでいるところを見つけられてしまったのだ。最初は信じなかったみんなも、本当だとわかるとオッチのことを気味悪いとか、宇宙人とか言いはじめた。そんなオッチの事をうらやましい、と言ってくれたのはまりっぺただ一人だった。まりっぺは足が悪くて思うように歩けない。体育の授業も最初から見学。夏休みになると、オッチとまりっぺは一緒に昆虫採集をしたり川で泳いだりした。こんなに楽しい夏休みは初めてだった。しかし、まりっぺのおかあさんは、オッチのことを警戒して、もう近づかないでくれと言うのだ。そして夏休みが終わって、まもなく、事件はおきた。