レディ･ジョーカー

川崎競馬場で知りあった5人の男たちがいた。物井清三、布川淳一、高克己、松戸陽吉、半田修平。平成16年10月1日の深夜、日之出ビールの社長･城山恭介が誘拐され5億円を要求。大胆不敵なこの企業人誘拐は、これら五人の競馬仲間による犯行であった。物井ら犯人グループは、突然、城山社長を解放した。次の人質は350万キロリットルの日之出ビールという作戦だった。しかも要求額は20億。解放直前に城山に警察には要求は5億と伝えること言い含めた。城山は一刻も早く20億を支払い、事を収拾したいと重役陣に頭を下げた。その数日後、社長宅に封筒が投げ込まれていた。中には携帯電話が入っており、城山は合田刑事の目を盗んで犯人側との連絡を取った。やがて、薬物混入のビールが発見された。そして日之出ビール役員室では、20億円を支払う議決がなされていた。その直後、事業本部長の城山武郎が飛び込み自殺を遂げ、さらに捜査陣の土肥刑事がピストル自殺した。物井らがなぜ、犯罪に手を染めたのか。そしてその事件のたどり着く先には何があるのか。