トリコロールに燃えて

英国の貧しい大学生ガイは、上流階級の娘ギルダと出会う。二人の住む世界は全く違っていたが、それゆえに強く惹かれ合い、一夜を共にするのだった。しかし、ギルダは華やかでスリルのある人生を求め、単身パリへと旅立っていく。3年後、ガイが大学を卒業したある日、ギルダから手紙が届き、彼はそれに導かれるようにパリに渡った。そこには、女優やカメラマン、アーティストなど、次々と自己表現の場を求め、華やかに暮らすギルダがいた。しかし、芸術活動の援助を目当てにパトロンとベッドを共にするギルダ。彼女は、14歳の時に占い師から「あなたの34歳以降の人生が見えない」と言われたことから、生き急いでいたのだ。その願いは、恋人のガイ、スペインの内戦を逃れてきた友人のミアの3人で暮らすことだった。迫りくる戦争、その現実を忘れ、1930年代パリ特有の享楽的な生活を謳歌する３人。しかし、台頭するナチスの勢力は次第に彼らの生活に影を落とす。ガイとミアは、いつまでも快楽主義的な生活を追い求めるギルダを残して、内戦の激化するスペインに渡ってゆくのだった。遂に世界は戦争に突入していく。そして、ナチス占領下のパリに舞い戻ったガイが見たのは、ドイツ将校に寄り添い街を歩くギルダの姿だった。自分の幸せだけを追い求めているかに見えるギルダだったが、戦争の荒波は彼女の人生と彼女自身を大きく変えていた。