クライモリ(2003)

どこまでも樹海が続く、ウェスト・ヴァージニア州の森林地帯。州の75％は深い森だ。地図にも載っていない忘れられたような山道を、ジェシー、カーリー、フランシーヌの３人の若い女性と、カーリーの恋人スコット、フランシーヌの恋人エヴァンを乗せたレンジローバーが走っていく。失恋したジェシーをなぐさめるためのキャンプ旅行である。暗い森のなかで突然タイヤがパンクした。車を停めて降りたところへ、後続のマスタングが突っ込み、二台の車は大破。運転していたのは医学生のクリス。隣州での面接に間に合うようにと、この怪しげな抜け道を飛ばしていたのだ。怪我もなく助かった６人の若者たちは、携帯電話も通じない、行き交う車もない人里離れた山奥で立ち往生してしまう。ジェシーとカーリーら４人は、仕方なく、公衆電話のあるところまで歩いて戻ることにする。道は険しく、陽が暮れるのを気にして先を急ぐジェシー。カーリーとスコットは婚約したばかりで幸せ気分いっぱいで、歩くのが遅れがちになるのだった。彼らは山道で殺されたばかりの動物の死骸や奇妙な焚き火を見つけ、不吉な予感を感じる。事故現場にとどまったフランシーヌとエヴァンにも不吉な運命は襲いかかろうとしていた。想像を絶する恐怖が始まった。