黒の札束

(C)KADOKAWA 1963
経営不振に陥ったアジア化工は経営陣の総入換えを行った。桧山賢二は前経営陣と同じ学閥であったため、当然辞職させられた。恋人の瑛子は美容院に勤めているが、そんな桧山の面倒をよくみていた。桧山のアパートにある日会社に出入りしていた印刷屋宮川新平がたずねて来た。宮川は自作の贋札一千万円を百万円で買ってくれと相談に来たのだ。紙幣にナンバーが印刷されていないが、驚く程精巧に作られていた。浪人でクサっていた桧山はこの誘惑にのってしまった。

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