この世の外へ クラブ進駐軍

第二次世界大戦終結後2年が過ぎた。それぞれの楽器を抱えた若者が東京のある駅に集まっていた。米軍基地の中にあるクラブでショーのバンドマンとして雇ってもらうためだった。その中には、テナーサックスの広岡、ベーシスト平山、ピアニスト大野、トランペッター浅川、そしてドラム池島の姿があった。そのクラブは進駐軍の慰安施設「EMクラブ」。ジュークボックスから聞いたことのない音楽が流れ、コーラやハンバーガーなど食べたことのないものが溢れていた。彼らはジャスで結束し、「ラッキーストライカーズ」というバンドを組んだ。テナーサックス奏者として一流の腕を持つラッセル兵士は、バンドに冷ややかだったが、ジャズに懸命に向かう彼らの姿を見て次第に心がほぐれていくのであった。経験を積み、上達してきた彼ら。しかし、メンバーそれぞれの問題からバンドは解散。時は流れ、メンバーが再会する出来事が起こった。