半落ち

(C)2003「半落ち」製作委員会
元捜査一課の敏腕警部、梶聡一郎が「私、梶聡一郎は、3日前、妻の啓子を、自宅で首を絞めて、殺しました」と言って、警察署に出頭してきた。半年前、アルツハイマー病を発症した啓子の看病の為、自ら刑事を辞して警察学校で後進の指導にあたり、広く敬愛を集めてきた梶が、なぜ殺人を犯したのか。捜査一課強行犯指導官、志木和正の取調べに対して、啓子の扼殺後自首してくるまでの2日間のことについて、固く口を閉ざす梶。現役警部の殺人という一事件が、県警そのものの権威と、そこに属する何千という警察官の信用を地に墜とそうとしているのだ。そこで、取り調べにあたる志木に、誘導尋問で「空白の2日間」を捏造した事実で穴埋めするように、命じる県警幹部たち。その命令に背き、取調官を解任された志木は、独自に、梶がひたすらに隠そうとしている<真実>を探り出そうとするのだ。7年前に一人息子の俊哉を急性骨髄性白血病で14歳の誕生日を待たずに亡くし、寄う添うように生きてきた夫婦に、一体何があったのか。そして梶の事件がやむなく表沙汰になる。さらに「空白の2日間」についての県警の発表にウソがあることが、梶が東京行の新幹線ホームにいたことを目撃した男のマスコミヘのタレ込みで明らかになり、県警の周囲は騒然さを増す。担当検事(佐瀬)、弁護士(植村)、スクープを狙う新聞記者(中尾)、裁く判事(藤林)が、各々の人生を背負い、思惑を抱え、事件の真相を暴く為に、梶に近付いていくのだった。あと1年だけ生きようとしている梶の人生の「真実」とは一体何なのだろうか。
公開日
2004年1月10日(土)
監督
佐々部清
脚本
田部俊行 佐々部清 横山秀夫
撮影
長沼六男
音楽
寺嶋民哉 森山直太朗
出演
寺尾聰 柴田恭兵 原田美枝子 吉岡秀隆 鶴田真由 伊原剛志 國村隼 高島礼子 奈良岡朋子 樹木希林 嶋田久作 斉藤洋介 中村育二 豊原功補 西田敏行 本田博太郎 田山涼成 奥貫薫 永井杏 高橋一生 田辺誠一 石橋蓮司 井川比佐志
製作年
2003
製作国
日本
上映時間
121
INTRODUCTION
元捜査一課の敏腕警部が愛する妻を手にかけた。彼が自首するまでの「空白の2日間」の謎を追う。原作は『陰の季節』で松本清張賞、『動機』で日本推理作家協会賞を受賞した作家・横山秀夫による初の長編小説『半落ち』。すでに30万部を越すベストセラー記録を樹立している。本作はその小説の完全映画化である。この作品は、警察という職場を舞台にしたヒューマン・ドラマだ。親子、夫婦の情愛。職場不倫、出世競争。そしてそれぞれの“老い”という現実。アルツハイマーの病状が進む妻、そして主人公・梶聡一郎。その心の襞を探っていく物語は、いつしか彼を取り巻く人々の心のうちまでも明らかにしていくのだ。配役は、梶聡一郎に寺尾聰、その妻に原田美枝子、志木刑事に柴田恭兵。検事に伊原剛志、記者に鶴田真由、新米判事に吉岡秀隆、弁護士に國村隼、ほか、高島礼子、石橋蓮司、井川比佐志、樹木希林、奈良岡朋子らの豪華キャスト。監督は、デビュー作『陽はまた昇る』で高い評価を得た佐々部清。撮影は、『たそがれ清兵衛』『学校』で各種映画賞に輝いた長沼六男が担当している。
STORY
元捜査一課の敏腕警部、梶聡一郎が「私、梶聡一郎は、3日前、妻の啓子を、自宅で首を絞めて、殺しました」と言って、警察署に出頭してきた。半年前、アルツハイマー病を発症した啓子の看病の為、自ら刑事を辞して警察学校で後進の指導にあたり、広く敬愛を集めてきた梶が、なぜ殺人を犯したのか。捜査一課強行犯指導官、志木和正の取調べに対して、啓子の扼殺後自首してくるまでの2日間のことについて、固く口を閉ざす梶。現役警部の殺人という一事件が、県警そのものの権威と、そこに属する何千という警察官の信用を地に墜とそうとしているのだ。そこで、取り調べにあたる志木に、誘導尋問で「空白の2日間」を捏造した事実で穴埋めするように、命じる県警幹部たち。その命令に背き、取調官を解任された志木は、独自に、梶がひたすらに隠そうとしている<真実>を探り出そうとするのだ。7年前に一人息子の俊哉を急性骨髄性白血病で14歳の誕生日を待たずに亡くし、寄う添うように生きてきた夫婦に、一体何があったのか。そして梶の事件がやむなく表沙汰になる。さらに「空白の2日間」についての県警の発表にウソがあることが、梶が東京行の新幹線ホームにいたことを目撃した男のマスコミヘのタレ込みで明らかになり、県警の周囲は騒然さを増す。担当検事(佐瀬)、弁護士(植村)、スクープを狙う新聞記者(中尾)、裁く判事(藤林)が、各々の人生を背負い、思惑を抱え、事件の真相を暴く為に、梶に近付いていくのだった。あと1年だけ生きようとしている梶の人生の「真実」とは一体何なのだろうか。
CASTING
●梶聡一郎:寺尾 聰 1947年5月18日生まれ。神奈川県出身。父は俳優で演出家の宇野重吉。68年、「黒部の太陽」で映画デビュー。76年、『同胞』で主役を演じた。98年、第21回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。歌手としては81年に「ルビーの指環」がミリオンセラーを記録し、第23回日本レコード大賞及び作曲賞、第12回日本歌謡大賞などを受賞。主な出演作は、『乱』(85)、『夢』(90)、『まあだだよ』(93)、テレビドラマでは、NHK銀河ドラマ「大風呂敷」(70)、「港の詩」(71)、「友情」(77)、NTV「大都会PART III」(78)、テレビ朝日「西部警察」(79)など。 ●志木和正:柴田恭兵 1951年8月18日生まれ。静岡県出身。東京キッドブラザース『十月は黄昏の国』(75)で舞台デビュー。主な出演作は、「ピータソンの鳥」(76)、「霧のマンハッタン」(80)、「野蛮人のように」(85)、「道」(86)、「ウホッホ探検隊」(86)、「あぶない刑事」(87)、「夢の祭り」(89)、「福沢諭吉」(91)、「わが愛の譜」(93)、「集団左遷」(94)、「あぶない刑事リターンズ」(96)、「あぶない刑事フォーエヴァー」(98)など。 ●梶 啓子:原田美枝子 1958年12月26日東京、豊島区生まれ。74年、『恋は緑の風の中』で映画デビュー。76年、『大地の子守歌』『青春の殺人者』でキネマ旬報主演女優賞など9つの賞を獲得。90年、『式部物語』でアカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。主な出演作は『もどり川』(83)、『乱』(85)、『火宅の人』(86)、『帝都物語』(88)、『夢』(90)、『息子』(91)、『絵の中のぼくの村』(96)、『愛を乞うひと』(98)、『虹の岬』(98)など。 ●藤林圭吾:吉岡秀隆 1970年8月12日生まれ。埼玉県出身。77年、『八つ墓村』で映画デビュー。81年の『男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎』から倍賞千恵子扮するさくらの息子満男役で『男はつらいよ』シリーズのレギュラーとなる。81年から倉本聰脚本による『北の国から』に出演。主な出演作は、『優駿』(88)、『八月の狂詩曲(ラプソディー)』(91)、『ラストソング』(94)、『青空に一番近い場所』(94)、『学校II』(96)、『虹をつかむ男』シリーズ(96~97)など。 ●中尾洋子:鶴田真由 1970年4月25日生まれ。神奈川県出身。主な出演作は「帝都物語」(88)、「就職戦線異常なし」(91)、「病は気から 病院に行こう2」(92)、「卒業旅行・ニホンから来ました」(93)、「きけ、わだつみの声」(95)など。 ●植村亜紀子:高島礼子 1964年7月25日生まれ。神奈川県出身。21歳で、車の国内A級ライセンスを取得し、富士フレッシュマンレースなどに参戦。その後、レースクイーンやモデルを経て、1988年「暴れん坊将軍3」で女優デビュー。主な出演作は「さまよえる脳髄」(93)、「集団左遷」(94)、「新生トイレの花子さん」(98)、「ショムニ」(98)、「極道の妻たち」(99)、「長崎ぶらぶら節」(00)、「千年の恋・ひかる源氏物語」(01)、「精霊流し」(03)など。
配給会社
東映

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