再見(ツァイツェン) また逢う日まで

チー・スーティエンが20年ぶりに祖国・中国の大地を踏みしめた。彼女は若き指揮者。地元マスコミは、アメリカで育った彼女の帰国を記念した中国交響楽団とのコンサートの報道で賑わっていたが、彼女にはほかにもうひとつ、別の目的があった。それは、20年前、彼女が7歳のときに生き別れになったきり、音信不通となった兄妹たちを探して再会すること。彼女が恋人のデヴィッドとともに、北京の空港に降り立ったとき、空港正面の車寄せに一台のタクシーが止まった。その運転手は、フロントガラスから古びた一枚の写真を吊り下げていた。そこには、両親を取り囲むように、4人の兄姉弟妹が、真剣なまなざしをカメラに注いでいる。タクシー運転手は、スーティエン帰国を報じる新聞を見て、彼女こそが探している妹であることを知る。そしてスーティエンの泊まるホテルに車を走らせるが、トラブルに見舞われ、警察に追われる身になってしまう。こうして、お互いに兄妹と名乗ることもなく、別れてしまうのだった。一方、デヴィッドが弟ティエンの消息を掴んだ。彼は東北大学の学生で、今は、養父母が死んで、奨学金で大学に通っているという。ティエンはかつてミャオからもらった一通の手紙を、スーティエンに差し出した。ミャオは北京に住んでいるというが、住所は書かれていない。翌日、両親のお墓参りに行くスーティエンとティエン。すっかり雑草に覆われ、所在さえ定かではないほどの荒れ放題だが、墓前でイクーとミャオとの再会を誓う姉弟だった。そして彼らは再会し、残るはイクーだけになった。スーティエンのコンサート当日、果たして兄弟たちはみんな再会できるのだろうか。
公開日
2003年11月8日(土)
監督
ユイ・チョン
脚本
ユイ・チョン
撮影
カン・ルー
音楽
ロアン・シュー
出演
ジジ・リョン ジャン・ウー シア・ユイ チェン・シー ツイ・ジェン
製作年
2001
製作国
中国
原題
我的兄弟姐妹
上映時間
95
INTRODUCTION
両親の不慮の死によって、別々の家に引き取られていく4人の兄姉弟妹。彼らが20年の歳月を経て、ようやく再会の道を歩み始める運命のゆくえを、中国・東北地方のなつかしい原風景と、現代の近代的な建物が建ち並ぶ北京の街を交錯させながら描いた珠玉の作品だ。第5回上海国際映画祭コンペティション部門に正式出品された際は、発売と同時に切符が売り切れとなるエピソードもある。スイスのカステリナリア国際青年映画祭ではゴールデン・キャッスル賞グランプリ、モスクワ国際児童青少年映画祭ではブロンズ・テディ・ベア特別賞など、海外でも数々の賞を受賞。ヴァンクーヴァーやストックホルム、ハワイの各国際映画祭でも正式上映されている。01年6月に中国本土で封切られると、北京や上海、広州といった大都市はもちろん、成都、武漢でも大ヒットを記録した。大連では劇場で2万枚のハンカチが配布されるなど、数々の話題を振りまき、あまりの反響の大きさから、上映館の数が拡大。歴代中国映画興行収人成績のベストテンに名を連ねる記録的大ヒットとなった。ヒロインのスーティエンには『君のいた永遠』のジジ・リョン。タクシー運転手をしている兄イクーには、『こころの湯』のジャン・ウー、弟ティエンには、『太陽の少年』でヴェネツィア映画祭最優秀男優賞を史上最年少で受賞したシア・ユイが演じている。また、末娘ミャオに、新人のチェン・シーが抜擢された。兄妹の父親には、中国初のロックスターとして、カリスマ的な人気を誇るツイ・ジェンが演じている。そして、4人の兄妹を演じる子役たちはオーディションで4ヶ月をかけ、約3,000名にのぼる候補者の中から選ばれた新人たちだ。監督は、本作で鮮やかな長編デビューを飾ったユイ・チョン。『こころの湯』のチャン・ヤン、『プラットホーム』のジャ・ジャンクーらと並ぶ中国第6世代の注目株である。製作は、『太陽の少年』『欲望の街』を手掛けた香港映画界のヒットメイカー、マンフレッド・ウォンが担当している。
STORY
チー・スーティエン(ジジ・リョン)が20年ぶりに祖国・中国の大地を踏みしめた。彼女は若き指揮者。地元マスコミは、アメリカで育った彼女の帰国を記念した中国交響楽団とのコンサートの報道で賑わっていたが、彼女にはほかにもうひとつ、別の目的があった。それは、20年前、彼女が7歳のときに生き別れになったきり、音信不通となった兄妹たちを探して再会すること。彼女が恋人のデヴィッド(デヴィッド・リー)とともに、北京の空港に降り立ったとき、空港正面の車寄せに一台のタクシーが止まった。その運転手は、フロントガラスから古びた一枚の写真を吊り下げていた。そこには、両親を取り囲むように、4人の兄姉弟妹が、真剣なまなざしをカメラに注いでいる。タクシー運転手は、スーティエン帰国を報じる新聞を見て、彼女こそが探している妹であることを知る。そしてスーティエンの泊まるホテルに車を走らせるが、トラブルに見舞われ、警察に追われる身になってしまう。こうして、お互いに兄妹と名乗ることもなく、別れてしまうのだった。一方、デヴィッドが弟ティエン(シア・ユイ)の消息を掴んだ。彼は東北大学の学生で、今は、養父母が死んで、奨学金で大学に通っているという。ティエンはかつてミャオからもらった一通の手紙を、スーティエンに差し出した。ミャオは北京に住んでいるというが、住所は書かれていない。翌日、両親のお墓参りに行くスーティエンとティエン。すっかり雑草に覆われ、所在さえ定かではないほどの荒れ放題だが、墓前でイクーとミャオとの再会を誓う姉弟だった。そして彼らは再会し、残るはイクーだけになった。スーティエンのコンサート当日、果たして兄弟たちはみんな再会できるのだろうか。
CASTING
●ジジ・リョン 1976年3月25日、香港生まれ。15歳のときにスカウトされ、モデルとしてCMなどに出演。95年、『裏町の聖者』で映画デビュー。『フル・スロットル/烈火戦車』で香港電影金像奨新人賞候補、『君のいた永遠』(99)で香港電影金像奨主演女優賞候補となった。主な出演作は、「Feel 100%(百分百感覚)」(96)、ゴッド・ギャンブラー/賭神伝説』(96)、『ファースト・オプション/飛虎』(96)、『初恋無限TOUCH』(97)など。また歌手としてもアルバム《愛自己》でデビューし、「新居」(97)がミリオンセラーとなった。 ●ジャン・ウー 北京実験劇場のメンバー。チャン・イーモウの『活きる』(94)で主人公夫妻の娘婿となる二喜役を人情味豊かに演じて注目され、99年には『こころの湯』で知的障害の弟アミンを迫真の演技でスクリーンに息づかせ、ハワイ国際映画祭審査員特別賞を受賞した。 ●シア・ユイ 1976年10月、青島生まれ。94年、『芙蓉鎮』の名優ジャン・ウェン(姜文)の初監督作品『太陽の少年』の主人公役で映画デビュー。ヴェネチア国際映画祭男優賞を史上最年少で受賞し、国際的な注目を集める。主な出演作は、『西洋鏡~映画の夜明け』(99)、『パンダ・アドべンチャー』(01)など。 ●チェン・シー 1972年、香港生まれ。幼少時にオーストラリアに移住し、大学で演劇を専攻する。98年にアンディ・ラウ&ジジ・リョン主演の『激戦』(ウォン・ジン)で映画デビュー。「等侯董建華發落」(02)で香港電影金像奨助演男優賞候補となる。主な出演作は、『OVER SUMMER』(99)、『BRUCE LEE IN G.O.D./死亡的遊戯』(01)など。 ●ツイ・ジェン 1961年、北京生まれ。78年に北京交響楽団に、クラシックのトランペット奏者として入団。86年、「100人歌手の世界平和コンサート」で自作曲《一無所有》を歌い、一躍注目される。93年、『北京バスターズ』に出演。01年にジャン・ウェイ(姜文)のカンヌ映画祭審査員グランプリ受賞作『鬼が来た!』では音楽を担当している。

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