めぐりあう時間たち

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1923年、ウルフ夫妻は、作家であるヴァージニア・ウルフの病気療養のためロンドン郊外のリッチモンドに移り住んできた。彼女は書斎で煙草を吸いながらゆっくりと呟く。「ミセス・ダロウェイは言った、花は私が買ってくるわ」。よく晴れた6月のある日、一人の女のたった一日の出来事、その一日に主人公の全ての人生が入っている。傑作『ダロウェイ夫人』が生まれようとしていた。 1951年、ロサンジェルス。閑静な住宅地に住む妊娠中の主婦ローラ・ブラウンは、ベッドの中で一冊の本を手にしている。「……ミセス・ダロウェイは言った、花は私が買ってくるわ」。本の題名は『ダロウェイ夫人』。今日は夫の誕生日、夜のパーティのために幼い息子リッチーと一緒にバースデイケーキを作り始める。現代2001年、ニューヨーク。編集者クラリッサ・ヴォーンは、同居している恋人サリーに言う。「サリー、花は私が買ってくるわ」。エイズに冒されている、親しい友人である作家リチャードが栄えある賞を受賞したのを機に、彼を元気付けるために祝賀パーティを企画する。三つの時代の、三人の女たちの、それぞれの一日。 2002年の米アカデミー賞でニコール・キッドマンが主演女優賞を受賞。

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