ボクの、おじさん THE CROSSING

東京のデザイン会社に勤める浩二は、29歳で独身。ある日、彼の元に熊本の実家にいる兄・修一からふたつの知らせが届いた。ひとつは父の死、もひとつは兄の一人息子で中学生の拓也が、郵便局に強盗に入って警察に捕まったことだった。仕事上のトラブルや恋人・凛との関係など、ただでさえ様々な問題を抱えていた浩二は、そのひとつひとつにどう対処すればよいのか分からなくなり、自分を持て余すようになる。一方、保護観察処分となって帰宅した拓也は、父を初め、家を出ていった母にさえも心を開こうとせず、強盗に入った理由もはっきりしなかった。そんな甥に、戸惑いながらもあれこれと話しかけていく浩二。そうしているうちに、彼は自分の少年時代のことを想い出すようになっていた。それは、初めて球磨川を泳いで渡った時の記憶。彼が大人になったと自覚した瞬間であった。そして、次第に浩二に心開くようになった拓也は、叔父の想い出に触発されひとりで川を渡ることに挑戦し、見事成功する。こうして、拓也は大人への階段を昇り始め、そんな甥との交流を通して自分を見つめ直した浩二も、ひとつずつではあるが問題を解決し、やがて東京の生活へ戻っていくのであった。

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