花と竜

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明治の末門司の港は大陸相手の貿易で湧き返り、多勢の仲仕(ゴンゾウ)が来ていた。浜尾組の玉井金五郎も四国の山奥から一旗あげようと来ていた。ある日金五郎は、ブラジルへ密航を企だてようとする鉄火肌の女マンに会った。やがて門司一円を襲った“上海コレラ”騒動にまきこまれた金五郎の病床を、マンがたびたび訪れた。

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