王将

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天王寺の裏長屋に住む草履作り職人・坂田三吉。無学文盲で字は将棋の駒くらいしか読めないが、天才的棋力の持ち主で素人将棋大会では必ず優勝する。しかし大会に出場する費用を捻出するため、女房・小春の一張羅の着物を売り飛ばしたりするので、一人娘を抱え、日雇いの仕事で辛うじて家計を支える小春の心労は計り知れない。そんなある日、玄人との対抗将棋大会に出場し、有段者を次々と負かしていく三吉に、職業棋士の話が持ち上がる。申し出を受ける三吉に最初は戸惑う小春だったが、将棋しか取り柄のない夫がプロとして大成するならば、苦労を共にしようと決意するのだった。それから十年後、関西に敵はなく七段となった三吉は、全日本の王座を賭けて関東の覇者・関村八段に挑戦。五段勝負に二勝二敗を以て、遂に運命の第五局に突入する…。

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