アトランティス

(C) Best Friend Forever
2022年6月25日(土)公開
2025年のウクライナ東部。ロシアとの約10年におよぶ戦争によってあらゆる街が廃墟と化し、人が住むには適さないほど大地が汚されたこの国は、何もかも荒みきっていた。製鉄所で働く元兵士のセルヒーは、戦争終結から1年が経った今もPTSDに苦しみ、唯一の友人であるイワンとともに射撃訓練を行っている。そんなある日、生きる気力を失ったイワンが燃え盛る高炉に身投げし、経営者からは製鉄所の閉鎖が発表された。すでに家族と死別し、どこかに行く宛てもないセルヒーは、水源が汚染された地域に水を運ぶトラックの運転手になった。ぬかるんだ平地で地雷除去作業にいそしむ兵士は、「片っ端から爆破処理をしてい るが、先は長い。少なくとも15年から20年はかかる」とつぶやく。その後、セルヒーは車の故障で立ち往生していたカティアという女性を近くの街へ送り届けた。戦争前には大学で考古学を学んでいたと語るカティアは、ブラック・チューリップという団体に所属し、無報酬で戦死者の遺体の回収を行っていた。「つらい作業だ。なぜできる?」。セルヒーが問いかけると、カティアは「死者たちのためよ。肉親に別れを告げさせて、彼らの生と戦争を終わらせるの」と答えた。後日、ブラック・チューリップに加入したセルヒーは、カティアとともに各地の遺体発掘現場を回っていた。すると、セルヒーがかつて命を救ってやった女性がお礼を言いにやってくる。国際的な環境監視組織で活動しているその女性は、復興まで途方もない歳月を要するであろうこの国を去ると告げ、セルヒーにも海外への移住を勧めてきた。「即答はできない」「よく考えて。決心がついたら電話を」戦争後の新たな生活に適応できず、ずっと魂の抜け殻のような日々を送ってきたセルヒーは、ある雨の日、胸の奥底にしまっていた過去をカティアに打ち明け、心のよりどころとなった彼女に“これから”について語り出す。自分たちは何を受け入れ、どこで、いかにして生きていくべきなのか……。

公式サイト
公開日
2022年6月25日(土)
監督
ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
脚本
ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
製作
ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
撮影
ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
出演
アンドリー・ルィマルーク リュドミラ・ビレカ ワシール・アントニャック
製作年
2019
製作国
ウクライナ
原題
Атлантида
上映時間
109
映倫
PG12
配給会社
アルバトロス・フィルム

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