悪い女はよく稼ぐ

ニューヨークで大がかりな証券詐欺を仕掛けた水嶋忍は、仲間の失敗から追われる身となり、偽造パスポートで密かに日本に舞い戻ってきた。忍は昔の恋人であり、伝説の地面師・椎名啓介の協力を受けて、日本での詐欺を開始する。そのカモが歯医者を開業している権田洋司であった。権田をカモろうとした忍だったが、権田には女性を武器に詐欺りまくっている原口美和が張りついていた。はじめは対立する二人だったが、やがて手を結んで権田を詐欺り、次第に大きな詐欺に手を出していく。忍を追っていた捜査2 課の刑事・田所裕一はいつの間にか逮捕する側から忍側に寝返り、詐欺に力を貸していく。だが、そんな二人に目をつけたのが岩井真影会というヤクザ組織であった。二件、立て続けに岩井真影会に邪魔をされて利益を奪われた忍と美和は、奪われた15 億を取り返すべく、椎名の協力を得て廃業した箱根の温泉ホテルを営業中に見せかけて岩井に売りつけるというビックコンをしかけるのだが――。